ISSUE 01 / 2021

「人には必ず、自分の身体を愛する権利がある」身体的特徴を生かしたダンスが伝えるもの

森田 かずよ(ダンサー)
EPISODE 03
自分の中にある線

義足の女優・ダンサーとして注目を集める森田かずよさんは、二分脊椎症・先天性奇形・側湾症を持って生まれた。演劇・ダンスの舞台、振付、ワークショップレクチャーなど幅広く活躍する森田さんに、身体的特徴を生かす表現とその可能性についてお話を伺った。

インタヴュー・文:篠田栞/写真:津久井 珠美
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義足の女優・ダンサーとして注目を集める森田かずよさんは、二分脊椎症・先天性奇形・側湾症を持って生まれた。演劇・ダンスの舞台、振付、ワークショップレクチャーなど幅広く活躍する森田さんに、身体的特徴を生かす表現とその可能性についてお話を伺った。

インタヴュー・文:篠田栞/写真:津久井 珠美
森田 かずよ

二分脊椎症・側弯症を持って生まれ、18歳より芝居を始める。「Performance For All People.CONVEY」主宰。ヨコハマパラトリエンナーレ、国民文化祭、庭劇団ペニノなど多数の公演に出演し、メディア出演も多数。障害のある人や市民参加のダンス公演演出、ワークショップ講師なども行う。第11回北九州&アジア全国洋舞コンクールバリアフリー部門チャレンジャー賞受賞(1位)受賞。

障がいのある身体で演じていく。義足のダンサーが生まれるまで

森田かずよさんは、二分脊椎症という身体障がいを持って生まれた。熱気あふれる街、大阪市天王寺区・鶴橋で幼少期を過ごし、おばあちゃん子で、歌うことが大好きな活発な少女だった。保育園、小学校は家から近い場所に通い、中学校は御堂筋線で殺人的な満員電車で通学。「両親は、今より身体も小さくて、障がいを抱える娘のひとり通学をよく許したなと思う」と当時を振り返って笑う。中学生になってからはひとりでどんどん外へ出ていくようになり、さらに活発に活動をしていくようになり、周囲もそれを後押ししてくれた。

鶴橋駅前の商店街は活気に溢れる。森田さんも買い物にくる馴染みの場所。

そんな森田さんがミュージカルに恋い焦がれたのは高校2年生。宝塚と音楽座の舞台をテレビで観たことから舞台にはまっていった。高校3年生の時、芸大の舞台芸術の学科を受験しようと心に決め、オープンキャンパスにも行ったが、芸大に入学についての問い合わせをしたときにかえって来たのは、「どうして障がいがあるのに、舞台を目指すの?」という一言だった。

「初めて、自分は障がい者なんだと思った」

これまでも、運動会で走れないなど身体の違いで何かができないことはあった。しかし、障がいがあるということで人に拒絶された経験がはじめてだった。

「障がいがある人が表現したり、演じたりすることができますと言える社会でありたいと強く思った。そういう風に言えない自分は嫌だ。だからやってみようと思って、そこからでした」

大学入学後、表現をしたいという一心で演劇部に入った。舞台表現のはじまりは、ダンスではなく演劇。踊りたいという気持ちはあったものの、当時はまだ、障がいのある身体で踊ることは難しいのではないかと考えていた。「劇団態変さんや海外で車椅子ダンスがではじめた頃だった。今となっては色んなダンスがあるんだってことも知っているけど、当時はどうしていいかわからなかった。でもなにかやれるはずとは思っていた」次第にミュージカルスクールやダンススクールにも通うようになり、パフォーマーとしての道のりを歩んでいった。

身体的特徴を生かして舞台に立つこと

ダンサーとしての森田さんの基礎はバレエだが、これまでタップダンスも、お能も、様々な舞台表現を習い、自分の身体のボキャブラリーを増やしてきた。意識してきたことは、自分の身体が正直に動く方法を探ること。車椅子ダンスをやってみた時期もあったが、森田さんにとっては自分の身体という感じがしなかったという。「自分の身体に正直な方法を探るということは、ずっと大事にしてきた」

2015年に出演した、庭劇団ペニノ『タニノとドワーフ達によるカントールに捧げるオマージュ』では、出演者はみんな140センチ以下のドワーフ(小人)だった。伝わらない言葉で会話し、遊ぶ、小さい人たち。その光景に立ち会う観客は、高い位置にあるものが取れない小人に手伝いを促されたり、しながらその不思議な光景を見守る。観客も自分たちが見ているのか、小人に見られているのかわからないような不思議な舞台作品だった。

『タニノとドワーフ達によるカントールに捧げるオマージュ』 ©田中亜紀

「モデルさんって、身長の高い人が選ばれるでしょ?『小さい』という身体的特徴で選んでもらったのは嬉しかった」。演劇の舞台に立つ時、一種不思議な役をもらうことが多い。性別がわからない役やおばあちゃんの役。そういう役ばかりに偏ることもどうかとは思うけれど、そこを買ってもらっているのだからそれは森田さんにとっては嬉しいことであるという。

障がいのある身体で踊ることで世の中に提示されるラベル。「障がい者」「健常者」そんな風に呼び分けるのが正しいのかはわからない。その中でどうやって踊っていくのか?そんな問いに向き合いながら、踊り、演じつづけている。

踊るってなんだろう?自分の身体とダンスの関係が更新された時

「私の身体の模型を作ってくれる人いないでしょうか?」

TwitteとFacebookで森田さんが呼びかけたのは2012年。当時の主治医がレントゲン写真をプリントアウトして渡してくれたとき「自分の身体が人とこんなにも違うんだ!」ということに改めて驚き、自分の身体を360度から見てみたいと思ったという。球体人形作家の井桁裕子さんと出会い、人形づくりがはじまった。ヌードデッサンを繰り返し、描き出されていく自分の身体。自分の身体を知り直し、自分の身体をとらえ直していくプロセスだったという。

『片脚で立つ森田かずよの肖像』©齋藤哲也

また、ダンサー砂連尾理さんとの出会いも森田さんのダンスに大きな影響を与えた。「毎回違うことをする」。砂連尾さんとの作品づくりのなかで、それまでダンスは、決まった振り付けを稽古して本番に挑むものだと思っていた常識が覆された。「毎回感覚を変える。毎回その人と一緒に、その時に何をするのかを考えるんだなと思って。ダンスってなんだろう?人と踊るってなんだろう?って考え直した」。毎回自分の身体と出会い直すプロセスの中で、森田さんのダンス観は、更新された。

代表作で高い評価を受けた作品『アルクアシタ』。この作品が生まれた頃には、自分の身体でやりたいことをみつけ、そこから作品を紡ぎ出していく今のスタイルになっていった。形のきまったダンス、健常者の基準での美しさに自分を近づけていくことをやめたことが重要だった。

『アルクアシタ』

「人の身体はみんな違っている。人には必ず、自分の身体を愛する権利がある。私のパフォーマンスを見た人が、自分とは違う身体を認めることを通して、ご自身の身体を一部でも愛せるようになってくれたら嬉しいなと思う」

まとめられない、違う身体の面白さ

パラリンピックに向かっていく流れの中で、障がい者について語られる時、「健常者にも負けない強い身体」、「心のバリアフリー」といった言葉が聞こえてくる。それを否定するわけではないが、そもそも違いがある身体について、簡単に健常者側の基準や言葉で丸めてしまったメッセージが広まっていくことに、森田さんは少し危機感を抱いているという。

「障がいのある人の中の多様性にちゃんと目を向けていかないといけないと思う」

身体も価値観もそもそも様々。まとめられるはずのない多様性を言葉でまとめてしまうのではなく、具体的な個々の事実として積み上げて世の中に提示していくことが必要であるというのが森田さんの考えである。そして、今、障がいのある表現者がどのようなことを考えて作品をつくっているのか、自分の身体といかに向き合っているのかをもっと発信していきたいという強い思いがある。

2019年から神戸大学の人間発達環境学研究科に在籍し、障がいのある人と舞台表現をテーマに修士号を取得しようとしている。「当事者として意見を求められる機会が増えてきたし、自分たちの身体をマジョリティの社会の中でどう生かしていくのかを当事者視点で考えて、発信していくようなネットワーク団体を、本気でつくっていきたい」

「障がい者、健常者という言葉が適切なのかは、私もわからない。でも、(障がいを持たない人にも)違う身体の人とものを作ることを面白いって思ってほしいと思う」

違うことを前提に、他者と対話をしていく時、そこにはその時にしか生まれない関係や発見がある。まとめすぎてしまっては零れ落ちてしまうものがある。森田さんの表現の根底にある、今ここにある身体を信じて面白がる力はたくさんの人に勇気を与えていくだろう。

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「インクルーシブ」という言葉がもっと身近になるヒントと具体事例が詰め込まれた良記事。読みながら、大切な人たちの顔が浮かびました。

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共感と気づきが多く、課題の本質をどう捉えていくかのプロセスが見える記事でした。自分の心がどこで動くのか、感じながら読んでみてください!

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技術が進化した今、たとえ声を失っても、クリエイティビティとモチベーションがあればアウトプットはできる。彼の存在はすべての表現者を奮い立たせてくれると思います。

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意図的に人を不幸にするクリエイティブなんて存在しない(であってほしい)。そう思うと、幸福を追い求めるというそもそもの「福祉」とクリエイティブって同線上のものなんでは?という嬉しい気づきに出会えました。

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自分という専門性の外にある理由を探すための、問いを見出すことこそが創造的なのだと、改めて。いまはまだ媒介者としての異なる他者を通じて気づく。早く普通になりますように。

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何年か前に菅原さんとお話ししたが、その時に見せてもらった”岡じい”の役者魂と表情が忘れられません。見ているこちらも満たされた気持ちになってくるから不思議。

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印象的だったのが「働くパートナーにとっても来店客にとっても、新たな気づきをもたらす場所」という言葉。カタチを整えるのではなく、共にコミュニケーションを重ねながら幸せの形を作っていくのが福祉なのではと感じさせられました。

「人には必ず、自分の身体を愛する権利がある」身体的特徴を生かしたダンスが伝えるもの
新原 なりか ライター・編集者

“多様性” という一言では語れない・括れないのが多様性。森田さんの「具体的な個々の事実を積み上げる」という姿勢とその実践から、多様性に本気で向き合う勇気をもらった。

ラベルを剥いだのちに見つかる「自分らしさ」を祝福する
松本 敏治 公認心理師・特別支援教育スーパーバイザー・臨床発達心理士

性別、年齢、人種、職業、障害、そして”LGBTQ”さえもラベルかもしれない。それらを超えて「自分らしさ」のひとことに開放を得たとき人間関係は意外にも心地よかった。

誰もが声を上げ主体者になれる環境から生まれたサイニングストア
マエダ ユウキ イラストレーター

スタバというものすごくポピュラーな場所でコミュニケーションの表現方法は違えど認め合えるハッピーな出会いがあることは素晴らしいことだと感じました。

「居てもいい場所」 をデザインする。 にじんだ線で描かれるこれからの建築
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病院の中に〇〇室、ではない場所があるのいいですね。特定の誰かのためでないことは、誰に対してもオープンであるということ。神戸のアイセンター、いつか遊びに行きたい。

「ゆるめる」というマイノリティだからこそ生み出せる価値
相羽 崇巨 詩人・ミュージシャン

本来スポーツは強い弱いではなく、笑顔になり、団結して一つの目標を目指し、個性や自分らしさを認め合えるもの。私自身も支援学校でスポーツの楽しさを知りました。ゆるスポーツが当たり前の風景になりますように。

「居てもいい場所」 をデザインする。 にじんだ線で描かれるこれからの建築
木村 華子 フォトグラファー・現代美術家

「利用者の心のレベルに合せて居たい場所を自然に選べるようになっている」という一文がとても印象的でした。これから建築における空間の捉え方、見え方が変わりそうです。

「人には必ず、自分の身体を愛する権利がある」身体的特徴を生かしたダンスが伝えるもの
菅原 直樹 「老いと演劇」OiBokkeShi

自分の身体に正直な方法を探ってきた森田さんのパフォーマンスは、多くの人々に表現の扉を開かせ、自分自身と向き合う場を生み出すのだろう。表現の可能性にドキドキした。

可能性を追求し、限界を切り拓く。ALS当事者になって一層高める自分らしい生き方
森田 かずよ ダンサー・女優

「限界はない」という言葉をここまで実践している人はいないのではないか、と感じる。テクノロジーによって生き方が拡張していく姿は可能性に溢れている。

未来を切り開く研究テーマは現実に疑問をもつことに始まる
篠田 栞 ライター・劇作家

津軽弁と自閉症というユニークなご研究テーマに興味惹かれました。「障害」「ダイバシティ」と一括りにするのではない、"目の前のリアルな現実"を見つめることに未来を切り拓いていくヒントがあるという点に深く共感しました。

時間をかけて手に入れた自分の説明書が、 自分の生き方をカタチ作る
津久井 珠美 フォトグラファー

単純に、相羽さんの自然体の生き方、ことば、音楽から、元気とHappyをもらいました!!

「人には必ず、自分の身体を愛する権利がある」身体的特徴を生かしたダンスが伝えるもの
大谷 明日香 Creative Studio REING代表

「インクルーシブデザイン」という言葉が普及していく中で、時にその言葉が形骸化していないか疑問を抱くことがあります。「その中心には当事者がいる」という、シンプルで最も重要な考えに基づいた取り組みをされていて大変感銘を受けました。

「人には必ず、自分の身体を愛する権利がある」身体的特徴を生かしたダンスが伝えるもの
土門 蘭 文筆家

「自分の身体が正直に動く方法を探ること」を大事にされてきたという森田さん。美の基準は社会側にあるのではなく個人側にあるのだと、大切な気づきをいただきました。

「老い・ボケ・死」をポジティブに捉え直すための演劇
堤 大樹 Eat, Play, Sleep inc. クリエイティブディレクター

「自分の心身の感覚が鈍ること」が恐ろしいと感じていたし、そういったことを無意識に遠ざけていたけど、少し老いが身近なものになりました。

答えをくれたのはこどもたち。《おやこ保育園》から溶けはじめる家族の線、社会の線
峯 大貴 ANTENNA副編集長・ライター

保育や教育の世界にもその人らしさや自由さを持ち込もうとする気概に胸を打たれる。また助け合い文化が残る長田に移住されたことに代表される、過去に恩恵を受けつつ、今に活かしていく生き方が美しいと思いました。

「ゆるめる」というマイノリティだからこそ生み出せる価値
重松 佑 Shhh inc. クリエイティブディレクター

スポーツは小学生の運動会でも「勝った負けた」の世界。それを「楽しく面白い」ものにゆるめていく。クリエイティブってこういうこと!と何度も頷きながら読みました。

「ゆるめる」というマイノリティだからこそ生み出せる価値
宇都宮 勝晃 Shhh inc. デザイナー

自分を責めず、隅へと押し込めず、自分にとっての生きやすさをひらくための「ゆるめる」。こんなやり方があったんですね。読み進めながら肩の力がほどけていく自分がいました。

「人には必ず、自分の身体を愛する権利がある」身体的特徴を生かしたダンスが伝えるもの
MISSISSIPPI 画家・コミック作家

車椅子に乗ってる人はスーパーパワーの持ち主なんだよ。ラストの父子の会話のエピソードが鮮烈で、マンガのストーリーを考える上で大きなヒントになりました。

「ゆるめる」というマイノリティだからこそ生み出せる価値
今津 新之助 SOCIAL WORKERS LAB ディレクター

自らの違和感に正直に向き合って、生きるうえで大切にしたいのは何かを見直そうと思わせてくれた。福祉の世界にある「余白」の面白さや可能性を語ってくれているのも嬉しい。

ラベルを剥いだのちに見つかる「自分らしさ」を祝福する
高田 亜希子 SOCIAL WORKERS LAB プロジェクトマネージャー

多様な「個」の受け入れというと、他者との関係性を思い浮かべるが、「自分との関係性」に焦点を当てられ、興味深かった。福祉であるかないかも自分で無意識に「ラベル」をつけているなぁと思いました。

「居てもいい場所」 をデザインする。 にじんだ線で描かれるこれからの建築
大澤 健 SOCIAL WORKERS LAB 学生インターン

「線」を見つめ直し、描き直すことによって世の中はよりよいものにできると信ずる者として、人を介在させることで線をにじませようという建築家の挑戦に心を打たれた。